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功利主義とは-基礎知識を身につける。

おはようございます。けうです。

 

あぶない法哲学を読みました。

その中で功利主義について扱った章があったので紹介します。

功利主義とは

功利主義とは最大多数の最大幸福で知られる、創始者・ベンサムの思想です。

この思想は博愛精神に支えられたもの。

幸福をみんなで分かち合うことが目的とされています。

 

例えば、あなたがお店でコーヒーを飲んでいたとします。

何時間も居座ります。

権利的にはコーヒーを買ったので、ずっといても支障はないはずなのですが、実はお店がとても混んでいました。

店の経営者は思います。

帰って欲しいな、と。

帰ればその席にいろんな人が座れるし、その人一人ではなく多くの人が幸せになれるはずだ、と。

功利主義的の最大多数の幸福という観点からは、あなたは何時間も居座ることがなくコーヒーショップをでなければいけません。

 

実は、この功利主義というのは、功利主義を発揮するために選民思想が必要とされてしまうということ。

この功利主義が政府と結びついたときに、「社会全体の不利益を最小限にしよう」となったときに、不利益を負わせる人を探し出す選別思想に転じてしまうと述べられています。

 

つまり、コーヒーショップで居座る迷惑だと言われる人が排除される。

一番法で特徴的だったは、「命の選別」といわれています。

福祉国家は福祉が充実しています。

けれど、その福祉を実行するためにはきまりきった予算がある。

その予算をみんなに効率よく使うためにはどうしたらいいのか。

そこで登場したのが、遺伝病者や知的障がい者に対して強制断種や不妊手術が行われていたという事実。

この旧優生保護法に支えられて、「命の選別」が行われてきたと言います。

 

国が国民の面倒を見る代わりに、社会の負担になる生命を生み出さないでくれと言われるのと、国は特に援助しないが、いろんな生命が自由に生まれ生きてくれといわれるのと、あなたはどちらに共感するだろうか?

そのように著者は問いかけています。

 

実は気がついていないだけで、私たちの多くは功利主義の考えにのっとった考えをしています。

迷惑をかけてはいけない。

何歳までに生まないと障がい者を生む確率が高まるから何歳までに子どもを産むのがいい。

政府が社会負担を補うべきだ。

 

このような思想の根本に功利主義があるということです。

 

でも、旧優生保護法は撤廃されて、人々の個々の権利が主張されています。

そうなると、政府の最大多数の最大幸福は実現されるのが難しくなってくる。

現に、年金だけでは生活できないよ、とか、コロナでみんなが苦しんでいても、みんなを救うことはできないですよね。

 

かえって、みんなを監獄のようなパノプティコンにいれて支配したほうが、みんなが幸せと思うかもしれないということです。

 

それでも、個別を考えていくとしましょう。

 

政府の仕組み

財源には限りがあること。

そして、政府の仕事の本文は振り分けにあるということ。

政府は集めてきた税金を何に使うのかを決めるのが仕事の本質だ、なんて言ったりします。

だからここに哲学が関わってきます。

では、政府が最大多数の最大幸福を目指さないようになったとしたら。

 

その一つの考え方に無知のベールという考え方があります。

私たちが一人一人ベールをかぶって議論をします。

そして、法律を決定して、そのあとにベールをはぐというもの。

ベールをはいだ後に自分がどこにいてもいいということが前提となってきます。

貧富の格差をといてベールをして、富ものに有利な法にしたとします。

その後にベールをはいだら、貧富の方に属していて、それによって不利をかなりうけた。

そんなことがないように話し合います。

 

でも、ここでもまだ議論になることがあります。

ベールをしても、確実な個性は消えないということ。

多くは日本人だったらこんな思想をしている、外国人だったらこんな思想傾向にあるなどです。

 

これはその土地に育ってきた特有のものがあるということ。

例えば、日本人はよくお米をたべると精神が安定するなどいいますよね。

その土地に合わせた考え方が体にも染みつきつつあるということ。

 

だから、いきなり私たちがある土地にいったとして、その水で体を壊すとか、考え方が全く合わなくて精神的に参ってしまうということがあるということ。

 

それでも、時代は移り変わっていきます。

そのときに、グローバルになっていたとしたら、その時代に合わせた法が整理されているかもしれない。

だから、ずっと議論は大事ということがいえるのかもしれないな、と思いました。

 

 

では、今日もお聞きいただいてありがとうございました。

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