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カルトブランディングとは何か-宗教との違い。

おはようございます。けうです。

 

田中森士さんの「カルトブランディング‐顧客を熱狂させる技法」を読んでいます。

カルトと聞くと、あまりよくないイメージを持たれる場合もあると思いますが、本書では肯定的な意味で語っています。

よく、教育というのは洗脳だ、とか。

人間は時代の洗脳からは逃れられない、とか。

このような言い方で洗脳というとき、その洗脳にはそこまで悪い意味は含まれず、私たちが絶対におちいってしまう先入観や、そのときどきでもつ価値観が表されます。

その意味において、カルトブランディングという用語を田中さんは使っています。

では、比較することでカルトブランディングとは何かを見ていきましょう。

カルトブランディングとは。

カルトブランディングはその名の通り「カルト宗教」からヒントを得ている、と述べられています。

カルト宗教からブランディングに応用できるものを抽出して体系化したものをカルトブランディングと呼ぶそうです。

定義を抜粋します。

「カルトブランディングとは、人間、組織を『好きなブランドのためなら身をささげる信者』に変えるプロセスのこと」

まだこの定義だと宗教観を抜けない感じがしますので、詳しく見ていきます。

カルトブランディングと破壊的カルトの違い

「好きなブランドのためなら身をささげる信者」とはどういう意味でしょうか。

この対比に関して、宗教的な破壊的カルトと比較してみます。

 

破壊的カルトは、マインドコントロールのテクニックを用いつつ、信者から様々なものを搾取する。
カルトブランディングは、倫理観を重要な要素として位置付けている。

カルトブランディングは、コントロールされる側ではなくて、自らを自分でそのコミュニティに属すようにコントロールするように働きます。

例えば、目の前にケーキがあったとします。

破壊的カルトにいる人は、無意識にそのケーキを食べる。

カルトブランディングにいる人は、食べることの意味付けをしてから積極的に食べる。

このような違いになってきます。

無意識と意識

無意識という言葉には人が勝手にコントロールされるという感が入り込みます。

けれど、意識的に、という言葉を使うことによって、自分で自分をコントロールしていくことを選んでいくことがカルトブランディングです。

一見すると、自分自身で選択することとをなぜカルトブランディングというのか。

そのような疑問が浮かびます。

なので、さらなるカルトブランディングの定義を述べていきます。

カルトブランディングの見分け方のポイント

カルトブランドの見分け方のポイントは2つあると筆者は述べます。

・イデオロギーが革新的であること。
・明確なコミュニティーを持っていること。

 

このようなポイントから、言えること。

『信者』は『ブランドとの一体感を持ちつつ、目に見える様々な方法でブランドとのかかわりを示す顧客』となる。

信者を顧客と言い換えることで、またイメージが変わります。

 

「世界中の消費者や顧客の非合理的な忠誠心や献身を勝ち取ることで、業界やカテゴリーを支配する。これこそがカルトブランディングの本質だ」

ファン自身が自らアピールする伝道師になると言います。

自ら利益もないのに伝えていくことなので、非合理的と言います。

具体例ー音声メディア

例えば、今の時代は音声コンテンツの時代がきていると言われています。

私たちがなぜラジオのような音声を聞くのかということの多くは、その人のことを好ましく思っているとか、習慣化しているとか、自らの選択を含みます。

その中で、その発信者の考えに有意義なものを感じる。

そうなってくると、自ら選択してラジオを聴いているので、カルトブランディングの様相がでてきます。

その配信者が有名になって、一般的な目に見える一種の価値観を提供していて、それを聞く人が宣伝するのであれば、カルトの様相がでてくるのです。

ラジオでは、マーケティングが人気です。

マーケティングとブランディングはセットで考えられるものであり、カルトブランディングもマーケティングの様相を帯びます。

また否定的なイメージが出てしまうと困るので、さらにカルトを解説してみます。

カルトの語源とは

カルトの語源に遡ります。

「カルトは『耕すこと』や『世話』を意味するラテン語に由来するという。‐文化などを意味する『カルチャー』と同じ語源なのだそうだ。」

文化を大切にすることとカルトブランディングは似ていると言うのです。

カルトは悪という決めつけの思い込みをまずはこえる。

そして、私はいつもある種の洗脳や先入観からは逃れられないものとして考えます。

そうしたときに、既存にあるブランドを選び取る。

このときのブランドの意味は、「組織から顧客への約束である」と説いています。

ブランドの意味を具体的に見ていきます。

ブランドの具体例

例えば、Tレビットはブランドの発症は、ロシアで粗悪品の高級品が出回った時、例えばテレビなど、高く買ったとしてもそれが壊れている可能性があるから買わないことに由来すると言います。
>>ブランディングと詐欺

テレビ産業が滞ったときに、この会社のテレビは安全だよ、というブランドをつけることで、人々の購買意欲をあおったということがあります。

壊れていないのならば、人は信頼して高級品を買おうとします。

この意味におけるブランドの意味がカルトブランディングには入り込んでいます。

品質に意味を求めて消費者はそれを支持するようになる。

カルトに置ける私たちの態度の違い

さらに、筆者は依存症と依存は違うと言う論点をだします。

依存病というのは依存対象をまったく好きではないのに無意識にそれに頼ってしまう。

依存症、病とついているくらいなので、ネガティブな面をおびます。

けれど、依存というのはポジティブにも働く面がある。

自分自身が進んでそれを信頼するということは、自己実現のために働く依存になることがあるのだ、と。

その面をカルトブランディングは持つと言います。

カルトブランディングのまとめ

広く開かれた集団で、かつその方針が革新的であるもの。

それに対して、自分の倫理観から自らそれを選び取って、しかもそれを自分で伝える。

伝えることが自分の倫理的に意味を持つのだと信じて、その集団と強調したいと考える。

それがカルトブランディングになります。

人は信じることから逃れられない。

ならば、その信じる者を意識的、積極的に取り入れられるようになる。

意味を求めていく。

このような生き方にカルトブランディングは一致してきます。

 

以前、サービスの工業化でも触れましたが、人はやることに対して意味を持つようになる。
>>サービスの工業化とは

自ら実行するサービスを購入するようになります。

モノの消費ではなく、コトを消費していくことにビジネスは進んでいく。

モノがあふれているからコトを買っていくのだ、と。

その中で、カルトブランディングは知っておきたい概念だと思いました。

まだ本を読んでいくので、また紹介していきます。

では、お聞きいただいてありがとうございました。

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