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2021年7月

機能主義を思考実験からわかりやすく解説!

機能主義とは、心は機能によって定義できると考える立場です。(続哲学用語図鑑参照) 心は脳の機能であると考えます。 今をときめく哲学者マルクス・ガブリエルは著書『「私」は脳ではない』で、私が脳であるという考えを否定しています。 機能主義の否定です。 しかし、今の科学の世の中では、私たちは気がつかないうちに私は脳であることを受け入れています。 機能主義を知ることで、その無意識に持っている思考を表面化し […]

脳科学実験から倫理を考察「完全な人間」とは

おはようございます。けうです。   昨日に引き続き、「闇の脳科学」について語っていこうと思います。 昨日の書き方だと、人間の脳に直接メスをいれることの恐さと、それが倫理的欠陥をもたらすのではないか、という怖さの面の主張が強く出ていたと思われます。 >>「闇の脳科学」ロバート・ヒースの物語   今日は逆の立場で、論じてみたいと思います。 脳をいじることが肯定される場合です。 脳手 […]

クオリアの意味を思考実験からわかりやすく解説!

クオリアとは、主観的に経験される感覚のことです。(哲学用語事典 哲学用語図鑑 参照) クオリアと言えば、脳科学者の茂木健一郎さんが本を書いたことで日本でも知られるようになりました。 聞くと面白い思考実験「マリーの部屋」や「哲学ゾンビ」など、これらはクオリアに関わっています。 具体例を通してクオリアを知り、心の哲学の問題を身近なものにしていきましょう。 思考実験で実際に想像してみよう。 クオリアの意 […]

「闇の脳科学」ロバート・ヒースの物語の感想

「闇の脳科学―『完全な人間をつくる』」という本を読んでいます。 闇のと書いてありますが、特にファンタジーな話ではありません。 発売されたのが2020年で最近の話であり、1940年代に活躍していた脳深部刺激治療を考案していた精神科医ロバート・ヒースの物語です。 まず、なぜ闇と使われるのかについて解説します。 脳手術への批判 脳に電気を流すと言うのは今注目されている治療法ですが、当時、特に1970年代 […]

ルソーの「社会契約論」と一般意思(東浩紀さん解釈)を紹介

社会契約説の成り立ちをホッブズ⇨ロック⇨ルソーの順でみていきます。 >>ホッブズの社会契約説 >>ロックの社会契約説 今回はルソーの社会契約説を紹介していきます。 ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)はフランス革命前夜の急進的啓蒙思想家と言われています。(哲学用語図鑑) では、ルソーが考えた社会契約説を見ていきましょう。 ルソーは哲学でも小説でも、教育論でもいろんなところで近代に影響を与 […]

「ルソーの一般意志」と「グーグルの集積知」との関係とは

おはようございます。けうです。   昨日はブログ記事ジョン・ロックの思想を整理して、その後にルソーの説いた社会契約説を勉強していました。 ルソーは社会契約説の中で一般意志を説いています。 今回、東浩紀さんの「一般意志2,0」を読んでやっとルソーの一般意志が解釈できたのでそれを説明していきます。 ルソーの説く一般意志というのは、無意識とか、均されたみんなの望みとか、データベースとして解釈さ […]

ジョン・ロックの思想を紹介!抵抗権と経験論

社会契約説は日本の教育では、ホッブズ⇨ロック⇨ルソーの流れが有名です。 >>ホッブズ「リヴァイアサン」による社会契約説 なので、ホッブズの次にロックを見ていきましょう。 ジョン・ロック(1632-1704)はイギリス経験論の代表的な哲学者であり政治家です。 ロックが説く社会契約説で有名なのが抵抗権です。 抵抗権と、抵抗権を唱えたロックの基本思想を見ていきましょう。 ジョン・ロックの抵抗権 ジョン・ […]

ホッブズのリヴァイアサンをわかりやすく紹介-社会契約説の発生

トマス・ホッブズ(1588~1679)は近代的な社会契約説をはじめに説いた人だと日本の教育では教えられています。 日本では、ホッブズ⇨ロック⇨ルソーの理論を、「近代的な個人を基礎にする国家」が成立するまでの社会契約論としてよく説明されるからです。 様々な説がありますが、ここは日本の教育に従って、ホッブズの著書「リヴァイアサン」の思想を詳しく見ていきましょう。   ホッブズは言いました。 […]

磯崎憲一郎「作家、作品に先行する、小説の歴史」-利他との関係

おはようございます。けうです。   「利他とは何か」を読み終えました。 今日は最終章、磯崎憲一郎さんの「作家、作品に先行する、小説の歴史」という5章を紹介していきます。   磯崎さんは言います。 「小説の歴史や流れのようなものがまず先にあって、そこにたまたま一人の作家がデビューし、作品を書き始める、そしてある時期が来たら舞台からは去って、次の世代の作家にバトンを繋いでいくように […]

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