こんにちは。けうです。
脳の構造で人の性格によってどんな違いがあるのかが気になったので、
今日は脳の部位の背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)を調べてみました。
背外側前頭前野の役割
数学に苦手意識を持つか否かは「遺伝子による」とある研究で言われています。
2014年の研究で、数学の得手・不得手の約40パーセントが遺伝で説明できることを突き詰めました。
とはいえ、40%が遺伝で60%が環境によって決定されていると言われています。
どちらの比率に当たるのかははっきりとは断言できませんが、脳の部分に違いがあったそうです。
元から活動すると言う意味では遺伝の40%に相当と考えた方がいいのかもしれません。
「背外側前頭前野」という脳部分の活動が弱いことがわかっているそうです。
この部分は不安感情を抑制する脳部位と言われています。
つまり、数学が苦手な人では、この感情抑制のブレーキがきちんと効かないから、不安が前面にでてしまうそうです。
この部分を刺激すると、苦手意識が消えて成績が向上したそうです。
人は苦手意識によって意欲をそがれます。
この実験は「脳はすこぶる快楽主義」から引用しました。
そして、私はこの背外側前頭前野を調べてみました。
脳科学では、背外側前頭前野は思考の脳といわれているようです。
記憶・学習・理解・推理・推測・抑制・意図・注意・判断といった思考をする場合に活発になるところと言われています。
逆に背外となっていますので、背内側頭前野はどうなのかというと心の脳といわれているようです。
男性脳、女性脳と一般に言われているもの
私はぱっと聞いて、男性脳、女性脳という部分的な活性の違いをイメージしました。
思考の脳として論理にすぐれている男性脳。
心の脳として共感にすぐれている女性脳。
そんな振り分け方をするのかな、と思いました。
ただその傾向があるというだけで、女性だから男性だからというわけではなくその傾向が強くでているというだけです。
なので、初めの実験にもどって、この思考の脳の部分を刺激すると、苦手意識である感情面が抑制されて、数学を学ぶことができるようです。
背外側前頭前野を抑える実験
でも、と思うのはこの部分が抑制されたときの働きはかえってなんだろうと思いました。
その他の実験としておもしろいものがありました。
2013年理科学研究所で、「タバコを喫いたい気持ちを自己制御する二つの脳部位を発見」―薬物依存の発症メカニズム解明に期待
という実験です。
喫煙者がタバコを喫いたい、と思ったときに背外側前頭前野が活発に活動していることを発表したそうです。
思考の脳は心の脳を抑えるといった点で、欲望を抑制する機能が弱まるということ。
何か思考をしていると、それを抑制している脳の部分が活発になりにくい。
つまり、思考しているときは他人のことはそんなに考えませんよね。
なので、よく喫煙が普通の状態だったときに、男性がタバコを喫いながら思考している場面を私は思い描いたのですが、それは論理的にあっているということになります。
実験ではタバコを吸っていいよ、という状態で吸いたいという欲求状態にあるときに背外側頭前野の活発が認められたそうです。
そして、この研究は、薬物依存に対して行われているものです。
今後の喫煙欲求とか、薬物依存を抑えるためにこの背外側頭前野の活動を押さえたらいいという治療法が推し進められるそうです。
背外側頭前野における二つの実験の比較
この二つの研究の面白いところ。
数学が苦手な人には背外側前頭前野を刺激させて苦手意識を取り払うと数学ができるようになる。
喫煙者には背外側前頭前野の活発を抑えさせることによって喫煙欲求を取り払う。
何事も中間がよくて、どちらか一方にぶれてしまうと精神疾患だとか言いますけど、二つの相反するような効果がみられます。
二つが共存する例はあるのかと思いきや、どちらかが比重として強い弱いという関係にあるようです。
そして、どちらがいいか、ですよね。
私の場合を考えてみると、よく文章をたくさん書いた後に甘いものが食べたくなったりします。
おそらく喫煙の場合と同じく、欲求が高まっているせいなのかなと思ったりしました。
そして、世間でもいわゆる頭の良い人といわれる人が太っていたりしますよね。
その場合、この理論部分が発達している為、こういう欲求に負けやすいということがあるのではないか、なんて思いました。
かといって、私はこうやって文章を書いたりすることが好きなので、そのダイエットのためにその部分を抑制させて自分の欲望を抑えさせるということには疑問視してしまいました。
タバコの欲や食欲を抑えるということは、他の欲も押さえてしまうということに相当するということ。
数学を楽しいものとみなせる欲求を抑えてしまうことになるんです。
人の性質による違い
用語によって分ける場合もあるそうです。
思考の脳が強い人は自己志向的な人。
心の脳が強い人は他者思考的な人。
そのような傾向の違いといって説明するのは、男性脳、女性脳とわける場合と似ています。
自己志向的な人に背外側前頭前野は大きく、感情や情動の生成に重要な扁桃体が小さいという特徴。
他者に協力するかどうかといったときにもその部分が強く活動する。
他者思考的な人は、扁桃体が大きく、他者に協力するかをきめるときに扁桃体が強く活動するそうです。
もしかしたら、傾向によって他者思考的な人はその部分を抑えさせてでも健康に気をつかったほうがいいとか思うのかもしれません。
そして、かえって思考や欲望や楽しさに重きを置く人はその部分を抑えさせることを疑問視するということがあるのかもしれない、と思いました。
そして、依存を抑えるためにその部分を抑えるというのは、社会的な側面をもっていると感じました。
禁煙がさけばれてきたのは最近になってからが強い。
その前の昭和の時代では多くの人が喫煙していて喫煙率が80%あったなんて聞きます。
それを抑えることが「良い」とされるような時代にきてしまっているということです。
自分を抑えさせることが「良い」とされる時代。
私はこれを聞いたときにパノプティコンを思い浮かべました
自己によって自分を規制するのが良いとされる時代です。
自己監視がいろんな分野に及んでしまうと言う監獄ですよね。
それでも、と思うのはタバコをすったり、甘いものを食べてしまったりといった一般的によくないといわれていることでも、その一般性に個人がどのくらい左右されなければいけないのか、と思います。
自由な自己でいてもいいのではないか、と。
一人一人の欲望にかんしての監獄をどこまで作り上げるのか、と思う面があるということです。
数学を楽しいと思えるならその部分が活発している方がいい、という面でいいのではないかと私は思いました。
なにごとも行き過ぎると真ん中がいいよという視点がでてくるという話かもしれません。
では、お聞きいただいてありがとうございました。