レビット

実践と理論。環境と本質。やってみてはじめてわかること。

おはようございます。けうです。

 

レビット論文も残すところあと二章ほどになりました。

毎日少しづつ読み進めてラジオにしてきたのですが、この元はかなり分厚い本なんです。

継続は力なり、というべきか、基礎が身についたとまでは言えるのかわかりませんが、レビットについて聞かれたら少しは答えられるくらいになれるのかなと思います。

 

今日はプロフェッショナルマネジャーの条件からみていきます。

プロフェッショナルマネジャーの条件

まずレビットは読者に質問をします。

そうそうたる企業のトップ(CEO)がメリーゴーランドに乗っているとします。
そのメリーゴーランドがその会社なのですが、そんな彼らに突然、無作為にほかの席に変わるように要求します。
では、そうした場合、私たちは自分の全財産をなげうってこれらの企業一つに投資ができるでしょうか?

 

という問いです。

多くの人は不安にかられたり、慎重になります。
いくら元の力がすごいといわれている人であっても、失敗している経緯はあるからです。

有名なのはスティーブジョブズとかだったり、有名なCEOは一つでは大成功を収めていても、他方で失敗しています。

 

それはなぜか、ということをレビットは推測します。

そこで出すのは物理学者ハイゼンベルクの不確定性原理だったりします。

我々が何かの現象を観察すると、観察するという行為そのものが原因となって、現象に変化が起きるという。
物理学の例で言うと、原子を観察することによって、原子の位置や動く速度が変わってしまいます。

経営においては、ある人がある状況に対処するだけで、行動の中身が何であろうと、状況に影響を及ぼすことになる。

 

ということを言うのです。

これは何を言い表すかと言うと、やってみないとわからない、です。

 

実際に優秀な人を企業に引き抜いたとしても、その企業においては失敗して、他の同じような企業でただ環境が違っているだけの企業に移した場合に成功したというケースは多々あるようです。

これをレビットは何で表すのかと言うと、「ウマがあった」「ウマがあわなかった」で表しています。

 

頭脳明晰であったり、意欲が高かったり、何を知っているかということはそれを判断する一部の材料にはなるというのですが、全体の材料にはならない、と。

対人スキルとは

では、他の要素は何かと言えば、その一つに「対人スキル」を上げていました。

でも、誰とでも合わせられる人っていますよね?
そういうことではないらしいんです。

 

現にレビットはこう言います。

なぜ、効果的な対人スキルやマネジメント・スタイルに関する理論がこれほどたくさんあり、互いに相容れないものばかりなのだろうか。どれだけ歳月をかけても結局は、どれ一つとして正当性をはっきりと証明できないということだろうか。-
成果につながる手法は一つではなく、いくつもあるという点に関しては、これまでの経験を問わず、すべての人が賛成するはずだ。

 

例えば、厳しいことで有名な上司が対人スキルセミナーにいって柔和な態度をとるようになったとしても、その部下はその上司の本音が掴み切れなくて歯車がくるってしまったといいます。

 

他には、優しい人がリストラをしなければ生き残れないような厳しい判断をしたとして、その後に精神的に参ってしまったという例もあるそうです。

 

経営者が他の企業でも通用するかどうかという問題に関しては、重要なのは親和性である。

 

そう語ります。

科学と多様性

経営に関しては人間味が強く出てくるということです。

 

人間味というのは多様性のことなので、やってみなければわからないという結論になってきます。

では、どうしてやってみないとわからないのか、と私なりに考えてみました。

 

今の世の中は科学を信じ切っていると言われています。

では、科学信仰があると。

 

では、そんな科学の特徴は何かといえば、正解があると思われることです。

厳密に言えば、今の科学もさきほど上げた不確定性原理のように結果は変わったりするんですけど、今の社会をおおっている信仰としては、多様性ではなくて、一つの事柄が絶対だと思うようなことが広がっています。

 

実験によって同じ結果がでるというような。

足し算の結果が同じだったり、理科の実験で同じ結果がでたりするようなことです。

そして、そうなることでAIの方が優れているから、AIに人間の優位性を奪われてしまうと思うような。

まずこの科学の考え方をすると、多様性はそこまでないように感じられます。

 

でも、経済が人間味で動き出しているというのはなんとなく観察ができます。

ラジオが人気になっていったり、個人間で副業ができたり、信頼性に基づく商売が基礎になっていったり。

反対に一つの大企業だけが、例えばGAFAのような、取りだたされるとその多様性は失われてしまいますけど。

 

昨日は人の性格の変わらなさについて話しました。

人の得意なことはずっと得意である。

性格は変えるのが難しい。

それで、性格が変わるのが難しいから、私たちは環境を変える方を選びます。

なので、やらなければわからない。

 

それでも、と思うのは人は変わる面もあるということ。
そして、これは変わる、変わらないというそのものをわかりにくくするんですけど、元から変化の激しい人だった場合、その元は変わっていないんですよね。

 

例えば、100まではプラス1をすればいい方式があったとして、100以降になるとプラス2にするのが正しい法則が存在したかのように。

 

だから、私たちはやってみなくてはわからないし、やるとしても、続けて見なければわからない。いつその素質が発見されるとも限らない。

 

そんな世の中に住んでいるんだろうなと思いました。
それでも、科学を信じると答えが出しやすいです。
一時的な答えを得ることができます。

そして、みんな考え続けている過程にいることが苦しかったりもするそうです。
そう思い悩んでいるよりは回答をだしてしまいたくなるような。
ここで、回答をださないのが哲学だったりもします。

いわば、答えを出してしまうとそれが間違いになるというような現実ですね。

それでも、企業と言いうのは組織になっていて、その企業独特の空気や特色を具えます。
自分がそれに対してぴったりだった場合、成功はしやすくなってきます。
ある一定のその時々の答えは用意されている世の中だったりします。

私なりに考えた場合はまだ混乱がみられますね。

人は変わらなさも持っている反面、環境によって変わることもある、というような

レビット‐まとめ

レビットはまとめでこう言います。

 

業界知識や特定のマネジメント手法が求められる場合もあるが、性格やスタイルが合わなければ、どのような知識や手法をもってしても、結果は悲惨なものになるに違いない。

 

理詰めで判断することと、やってみて判断すること、その両方を説いているのかな、と思いました。

 

では、今日もお聞きいただいてありがとうございました。

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