NO IMAGE

法と道徳の違いとは-法律の調べ方

おはようございます。けうです。

 

武器になる「法学」を読んでいます。

その中から抜粋して、法と道徳の違い、について話していこうと思います。

法と道徳の違い

筆者はいいます。

「法は行為について外面的なことを規律し、道徳は心について内面的なことを規律する」

このようなことがあるけれど、最も重要なことはこちらだといいます。

「法には強制力があるが、道徳には強制力はない」

 

それはそうなのかな、と思ったのですが、ではなぜ筆者わざわざ書いたのか。

 

それには、法の規定にも行為規範と裁判規範があるといいます。

それぞれの意味。

法の規定は二つ

・行動規範⇨国民の行動に影響を与える側面
・裁判規範⇨裁判で適用される根拠条文としての側面

 

つまり、行動規範は国民の行動に影響を与えますが裁判では適用されない。

裁判規範は実際の裁判の根拠に使われる、という違いです。

 

これは、さらに法律の規定がもつ効果に作用します

・訓示規定⇨裁判で強制力をもたないもの
・効力規定⇨裁判で強制力をもつもの

(規範とラジオで述べましたが規定です)

例えば、いくら法律に書いてあるからといっても、それが訓示規定だったから強制力はない、というもの。

つまり、道徳が法に書いてある事と同じということ。

 

例えば、民法に夫婦は互いに助け合うべきという規定があるそうです。

でもこれは訓示規定であり、守れなくてもこれは裁判で強制力は持ちません。

具体的な効力をもたない訓示規定が書かれているということ。

 

では、筆者は何が言いたいのか。

「勤務先の社会規程や所属する団体の規約などを読むときには、『これは効力規定なのか、訓示規定なのか』という議論はできる」

このように述べています。

 

なので、ここで「効力規定」を覚えて、仕事や日常生活、報道などで「法の規制」があったときに、それは効力規定をもつのかもたないのか、を調べるといいと述べていました。

 

そして、本では日常の疑問レベルの問題であれば、まずはネットで法律の条文を調べてみるという方法があると述べ、イーガブで調べられる、と。

イーガブ

では、さっそく調べてみましょう。

 

一番気になるのは、新型感染症対策での緊急事態宣言かもしれません。

これは「第四章 新型インフルエンザ等緊急事態措置」にあたるそうです。

 

イーガブを立ち上げて検索してみると、すぐにでてきました。

 

そして、国民に関係があるところをみてみます。

生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。

国民に対しては協力を要請です。

 

では、施設に対してはどうなのかといえば。

施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる。

 

ここには命ずることができる、とありました。

 

調べてみて思ったことですが、イーカブに載っている法は思ったよりも読みやすいと思いました。

六法の例などを読みにくく、知らない用語もでてくるなと感じたのですが、こちらは読むだけでもなんとなく意味が通ります。

 

知らないことだから、と手を付けないでいるよりは実際に調べてみることでその実際の法がどのようになっているかがわかります。

ただイーカブのどこに載っているのか、などはまた調べる必要があるかもしれないとは思いました。

ポピュリズムとは
>>オルテガの「大衆の反逆」

効力規定と訓示規定

そして、なぜ「効力規定」か「訓示規定」かを調べるのかというと、これも罰則に関係してきます。

・どのような行為が規制されるのかをみる。
・違反するとどのような制裁があるのか効果を見ると良い

と述べられていました。

 

前の章でも、自分に嫌なことや怒っていることがあったときに客観的になって、法ではどんな罰則が科されるのかを調べるといいとありました。

こうなることで、主観的な感情を抑えられて、客観的に対処ができる、と。

 

そして、法の強制力に戻ると、自分がひどいことをされても自分で復讐してはいけない、といったことは「自力救済禁止」といって、最後は裁判所の強制力を使うことが必要になるそうです。

 

調べてみないとわからないですね。

自分の感情にしたがっただけで行動を起こすと強制力にひっかかる。

そこは裁判にまかせなければいけない。

でも、裁判には訓示規制があって、これは破ったとしても罰則はない。

 

訓示規制を道徳という観点でみることもおもしろいなと思いました。

例えば、例にだされていた夫婦は互いに助けあうべき、という規定。

何を助け合うとするのか、というのは個人の価値観によりますよね。

家事を毎回すると良いのか、いや、かえって本人の自立にはならないかもしれない、とか。

道徳を話し合うときには、法律の訓示規定をみるとそのヒントがのっているかもしれないと感じました。

 

例えば先ほどの「みだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しない」。

この部分も、なにをみだりとして考えるのか、というのは道徳を考えるときや社会を考えるとき、自分ならなにをみだりと思うかという自分の倫理に繋がってくると感じました。

ちなみに道徳はただ示されていますが、それを個人に当てはめて考えることを私は倫理だと考えています。

道徳に従うだと、「大衆思考」になってしまって、道徳を倫理することで「エリート思考」になるのかな、と。

 

では、お聞きいただいてありがとうございました。

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!
>けうブログ

けうブログ

哲学を身近に