どうすれば話を伝えやすくできるのか。
それを実感していただくために、「4枚カード問題」(ウェイソン選択課題)を出します。
この仕組みを知ると伝える技術があがります。
簡単に言うと、物事を説明するときに「裏切り」を例にとって述べるとわかりやすくなるのです。
例えば、数学を説明するのにも、数字を擬人化して裏切りを例にあげると理解しやすくなります。
4枚カード問題(ウェイソン選択課題)とは
それぞれのカードで、
「片方が母音ならば、そのカードのもう一方の面は偶数でなければならない」
というルールが成立しているかを確かめたい。
調べる必要があるカードはどれだろうか?
答えを理解する前に、次の問題を解いてみて下さい。
「アルコール飲料を飲んでいるならば、20歳以上でなければならない」
というルールが成立しているかどうかを確かめたい。
調べる必要があるカードはどれだろうか?
かつ、紅茶は誰が飲んでいてもいいし、60歳のおじいさんが何を飲んでいてもよくなります。
これが「ウェイソン選択課題」として知られています。
心理学ではその理由を、裏切り者を迅速に発見することのできる、私たちの認知メカニズムに求めています。
「善意と言う暴力」堀内進之介著(2019)
同じ論理問題と言われても、違うものに感じる!
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片方が「未成年」ならば、そのカードのもう一方の面は「お酒ではない」でなければならない。
7のワインは未成年が飲んじゃダメ!
4枚カード問題(ウェイソン選択課題)に見られるメカニズム
4枚カード問題には、裏切り者を迅速に発見するメカニズムがあります。
ここでは2つ紹介します。
①公正世界仮説
②返報性の法則
これらを見ていきます。
公正世界仮説
私たちの感情はずるい裏切り者を許さないように出来ていると著者(「善意と言う暴力」)は述べます。
上の問いで言えば、未成年は飲酒禁止というルールを破ることは裏切り者になります。
なので私たちは強く反応し、正答率が上がるのです。
ルールが感情にまで及ぶので、ルール違反をすぐに見つけます。
そこで、疑問になります。
私たちはどうして裏切り者を見つけることが得意なのでしょうか。
社会心理学には「公正世界仮説」という考え方があります。
例えば、良い事をすると良いことが返ってくる。
悪いことをすると悪いことが起こる。
という思い込みによって、そうならないと許さないと思う心情です。
返報性の法則
他人から何かをもらったら、自分も相手にお返ししようとする心理です。
この法則は根強く、人間文化の中でもっとも基本的な要素となっているようです。
なので、この法則が破られるとその破った人を裏切り者だと認識しやすくなります。
4枚カード問題(ウェイソン選択課題)まとめ
4枚カード問題を実感してもらい、次にそのメカニズムを説明しました。
私たちは何かを理解しようとするとき、擬人化したり、何か感情に訴えかけるとわかりやすくなります。
数字だけでは理解できなかったことが、裏切りを考えることで正答率も上がるのです。
私たちの物事の理解の仕方には、ルールとその単純化が埋め込まれています。
何か説明に使えるかも!