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老化は病気である-「ライフスパン」の紹介

おはようございます。けうです。

 

「LIFESPAN 老いなき世界」(ライフスパン)デビット・A・シンクレア著を読んでいます。

なぜ読み始めたのかというきっかけは、ボイシーという音声メディアで紹介されていたからです。

読んでいて、私が今取り組んでいるダイエットブログともつながりがあると思いました。

例えば、断食(ファスティング)をするとサーチュイン遺伝子が働くのですが、これは体を若返らせることに働く遺伝子です。

それを論理的に説明してくれている本がこのライフスパンになります。

この本は、老化は治療できる病である、ということを確かめるための本です。

では、簡単に紹介していきます。

老化の仕組み

筆者は老化とは情報の喪失にほかならない、と考えています。

マウス実験で、あるマウスの遺伝子の存在しないDNAの空き地を切断して、それをまた元通りにつなげさせました。

DNAが切断されていると思ったマウスの遺伝子はそれを修復しようとして、それぞれの元居た持ち場を離れます。

その修復をするために遺伝子たちがそこに留まるのです。

その切断されている個所にとどまった遺伝子は、元は他の髪・皮膚・免疫力だとかそのようなところに働いていたものです。

それが切断されているところにむかう。

そうなることで、仕事を変えます。

その結果、マウスは生後16ヵ月にもかかわらず毛は白く、少なくなり、背骨が曲がり、目が濁ったというような老化現象がおとずれたと述べていました。

持ち場を離れることで、老化現象を引き起こしたのです。

これが老化の仕組みだといいます。

これにはDNAとエピゲノムが関係するというので、比喩で紹介していきます。

DNAとエピゲノムの関係

筆者はDNAとエピゲノムの関係をピアノにたとえました。

まずDNAをグランドピアノだと考えます。

一つ一つの遺伝子が鍵盤に当たります。

約2万個の鍵盤がある状態です。

そのDNAにたいして、それをひくピアニストがエピゲノムです。

強く引いたり、弱く引いたり、速くしたり遅くひいたりして、鍵盤から何百とおりもの音色を生み出します。

私たちがピアノの発表会で演奏を聴いていたとします。

けれど、人間がひくので、ときおりミス操作が発生。

長く曲をひいいていればいるほど、ミスが生じてきます。

ひいている人のミスはどんどん発生していき、もしかしたらピアノがおかしいのではないかとも思い始めます。

このミスというのが、老化だと筆者は推測しています。

 

筆者の生死モデル。

若さ⇨DNAの欠損⇨ゲノムの不安定化⇨DNAの巻きつきと遺伝調節(つまりエピゲノム)の混乱⇨細胞のアイデンティティの喪失⇨細胞の老化⇨病気⇨死

 

ピアノ自体が欠損する。

またはピアノの演奏者が失敗する。

その失敗に対処していくときに、細胞の老化がおこるというイメージ。

 

筆者はこの述べた死生モデルのすべてが対処できたら老化が止まるのではなないかと考えるのです。

老化を情報の喪失と見るならば、正しく音がでるピアノや正しくひけることが情報とみなされます。

ただし、人は生きるということにおいて、失敗をおかします。

なので、DNAが傷つかないとか、エピゲノムがうまく機能しないだとか、そのようなことが想定されているのです。

では、どうしているのかというと、傷つくたびに修正をしています。

修正をする回路をサバイバル回路と筆者は呼んでいます。

修正するからこそ、老化が免れないのです。

 

もしピアニストが鍵盤を直す大工さんのような役目をになうとしたら、それこそコンサート会場が終わってしまいます。

これが最大の老化現象。

エピゲノムはもともと不安定なのであり、細胞の修復などにずっとあたらせているとどんどん老化していくことになります。

では、どうしたらいいのかといえば、エピゲノムを安定させてみてはどうかと筆者は試みたのです。

そして、またマウス実験を開始します。

エピゲノムを安定させて老化を防ぐ

筆者は生後20ヵ月のマウス、人間で言うと65歳くらいのマウスにNADと呼ばれる分子を餌に混ぜて与えました。

NADというのは、サーチュインが働くうえで不可欠な物質で、その量が増えればサーチュインが活性化されると期待した実験です。

すると、その年老いたマウスがいきなりランニングマシンを壊すくらいの勢いで走り出したといいます。

高齢なはずのマウスが若いマウスがやる以上の精力をみせたのです。

筆者が考えた理論はこうです。

サーチュインを活性化させて、マウスのエピゲノムを安定させる。

すると、エピゲノムはみずからの仕事をこなすようになる。

ピアニストがピアノをひくことに集中して、素晴らしい曲を完成させるように。

筆者はこれをうけて、ある方面の若返りは有効に働くのではないかと考えはじめます。

 

こう考えるにあたり、人間の元の生物を考察してみます。

老化する人間の遺伝子回路

原子生物を考えてみます。

その生物は「遺伝子A」と「遺伝子B」を持っていました。

「遺伝子A」は環境が厳しい時にスイッチが入って、細胞の分裂を停止させる役目を持ちます。

「遺伝子B」は環境が好ましい時に「遺伝子A」を働かなくする機能をもっています。

 

遺伝子Bの末裔がサーチュイン遺伝子だといいます。

遺伝子Aが働いてしまう環境というのは生きていくのに過酷な状況、ここではDNAが壊れている状態の時です。

もしDNAが壊れていてもその個体が生物の営みとして繁殖を続けようとすると、壊れたDNA回路が次世代に繋がってしまいます。

なので、それを防ぐために遺伝子Aのスイッチが入ると、増殖(繁殖)を止めます。

スイッチが入っているときはそのDNAの修復を行っているのです。

マウス実験では、遺伝子修正のために老化現象が起きてしまいました。

ただ、そのDNAが損傷せず、ずっと遺伝子Bが働いている状態になるならば若返りの反応をみせます。

つまり、老化する遺伝子Aを抑えようとずっと遺伝子Bを働かせる状況にするのです。

 

それがもう一つのマウス実験です。

修復しなくていいので、エピゲノムは自分の仕事に専念しています。

細胞を若返らせるような働き、適切な個所で適切な行動をとる遺伝子の働き、がマウスに起きたのです。

このサバイバル遺伝子を持っていることが老化の唯一の原因だというので、その遺伝子Aを抑えた状況を作り出しました。

遺伝子AもDNAを修復するので、それがなくてはいけないのでしょうが、それを抑える遺伝子Bが働くことで若返ります。

 

そして、私がなぜダイエットと関係があると思ったのかは、ファスティングをするとサーチュインが働いて、私たちが若返るという情報を聞いたからです。

今が最適な環境であり、人が生きるための好条件だと知らせて遺伝子Aの動きを止める遺伝子B。

それがサーチュインです。

ダイエットの記事と、生命の不思議とがリンクしていきます。

そして、ファスティングというのは体に対しての少しの負荷です。

そうしたときにサーチュインが働くというのもおもしろいなと思いました。

負荷と聞くと遺伝子Aが働いてしまうのでは?と思いきや、遺伝子Bが働くということです。

この少しの負荷というのがポイントだと、ダイエットや健康の本では言われています。

では、お聞きいただいてありがとうございました。

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