フェイクニュースにある大きな懸念は、誤ったニュースを信じてしまうことではなく、本当のニュースを信じなくなってしまうことだ。
(とてつもない嘘の世界史p267)
いきなり他の本の抜き出しを載せましたが、今回紹介しているのは「プーチン戦争の論理」です。
このブログ記事はこんな構想になっています。
- 私が戦争に目を向けた理由
- 「プーチン戦争の論理」から得た情報
- 戦争について気をつけたいと思ったこと
「プーチン戦争の論理」レビューだけを知りたい人は2章目から目を通してください。
物語を通して読んでいただける方は、そのまま読んでください。
「プーチン戦争の論理」を読もうと思った理由
私は流れてくるニュースに関心を払わなくなっていた。
誤ったニュースが多いのは知っている。
だから、元から信じなければいい。
レジの仕事をしていると、誰かがドライアイスの袋をパンクさせた。
私は「また誰かがドライアイスを密閉させてパンクさせたのだろう」とすぐに思った。
周りもそのような反応で、なんの変化もない。
しかし、あるお客さんがつぶやく。
「ここがアメリカだったら、大パニックになっているわね」
なるほど、ここは銃に気を使わないから平和ボケしているのかもしれない。
そういえば、今は他の国で戦争をやっていたような。
本の一説を思い出す。
フェイクニュースにある大きな懸念は、本当のニュースを信じなくなってしまうことだ。
新書「プーチン戦争の論理」(下斗米伸夫 2022/10)を読んでみることにした。
なぜ物語をまぜているのか。
人は物語を記憶する。
これは心理学でもよく言われていることで、人は事実だけを記憶するのが難しい。
〇〇年に何が起こった。
事件名⇨事件名。
〇〇大統領は協約を結んで…。
戦争知識のない私にとって、なかなか理解できない。
- 物語ができているところはそのように
- まったくわからないところは、事実だけ
- 印象に残っているところを多めに
このようにして、私が本を読んだレビューが次の段落になります。
プーチン戦争の論理
戦争の知識がまったくない私がまとめたことを書いていきます。
浅いレビューだと思ってください。
プーチン戦争とは
- 2022年2月に「特別軍事作戦」という名の「プーチン戦争」が世界を震撼させている。
- 特別軍事作戦⇨ロシアのウクライナ侵攻
なぜ「戦争」ではなく「作戦」といっているのか。
本当なら2日で終わらせるはずだった作戦だったから。
ウクライナとロシアの歴史から、2日で終わるはずだった作戦が、2022年10月の今でも続いている。
専門家が言うには、「一刻も早い停戦が、目標となるべきだ」(p230)と。
なぜ「プーチン戦争」なのか
なぜ「プーチン戦争」と言われるのか?
プーチン自身のウクライナに対する認識の問題があるから。
ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性は高い。
ただし、ウクライナは西と東で思想や考え方が分かれている。
- ウクライナ西⇨ヨーロッパより
- ウクライナ東⇨ロシアより
ウクライナはソ連崩壊後に独立した新国家だが、ロシアとは同祖、いわば「兄弟国」のような存在。
プーチン大統領の軍事侵攻はウクライナの軍事占領が目的ではなかったとも述べている。
プーチン大統領は、ウクライナの「非軍事化」、「非ナチ化」を確実なものにして、「中立」に戻す目的だと述べる。
ウクライナの歴史
ウクライナは様々な国に支配されてきたという歴史がある。
特にソ連支配下の1932~33年におきた「ホロドモール」。
ホロドモール⇨「ウクライナ民族抹殺のジェノサイド(集団虐殺)」と言われている。
政策内容は、スターリンの集団農業化政策と穀物強制調達。
これにより、ウクライナでは数百万人の餓死者を出す。
支配されることによって、悲劇がおこる。
これを防ぐためにもプーチン大統領は「ウクライナをネオ・ナチから解放する」と述べている。
戦争の発端は「NATOの東方拡大」と米ロ対立
- 表向きはNATOやEUに向かおうとするウクライナと、それを阻止したいロシアとの地政学的対立。
- 1990年冷戦末期にNATOは東方へ「1インチ」も拡大しないと取り決める
- 2014年ウクライナ紛争
- 21年12月バイデン大統領「ウクライナのNATO加盟に、米国の国益はない」と明言し、米兵は送らないと口約束するが、条文化しない。
- 「ウクライナのNATO加盟問題」が起こる
どのくらいNATOの東方拡大が問題だったのか?
大多数の冷戦期の専門家「東方拡大は冷戦後最大の過誤である」p30
日本とロシアとその後
2021年10月、プーチン大統領は岸田政権を安倍路線の継承だと言って、日ロ関係改善に期待を寄せた。
安倍元首相とプーチン大統領の仲は良かった。
しかし、2022年のウクライナ軍事侵攻とともに、岸田政権はロシアへの経済制裁を掲げた。
プーチン大統領は「ウクライナ情勢に関する一方的で非友好的な関係」と、日本との関係を述べるようになる。
日本とロシアの関係を回復するのは、今の段階では難しい。
「プーチン戦争の論理」と「とてつもない嘘の世界史」を組み合わせて考える
ウィンストン・チャーチルは「戦争で最初に犠牲となるのは真実」という言葉を残している。(「プーチン戦争の論理」p138)
この言葉を考えてみよう。
「とてつもない嘘の世界史」から引用。
戦争勃発の引き金となった事件は、とてつもない大量の例において、振り返ってみると、あとでわかった正確な報告より小さい。(p190)
戦争中は信頼できる情報を得るのが至難のわざで、最良のときでも不確実で信用ならないことがある。
例えば、戦争が終わりかけていても世論に揺さぶりをかけることによって、戦争が長引く。
ここでは真実よりも作り話をとってしまう人間のサガを指している。
では、テストしてみよう。
あなたはこのブログの文章で覚えているものは何だろうか?
歴史的羅列?
それとも物語?
多くの人が物語の方を覚えているだろう。
作り話ではないけれど、物語は記憶に残りやすい。
では、「作り話」を信じてしまうことがいけないのかというと、「とてつもない嘘の世界史」ではもっと気を付けないといけないことがあるという。
本当のニュースを信じなくなってしまうこと。
ニュースに無関心になってしまうこと。
歴史から誤りを学ぶとしたら、人類は昔から騙されてきた。
騙されるのは変わりがないのだから、間違いは認めて、真実を信じるようにしていこう、と。